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比江島が覚醒、3P連発 第4Qに17得点で大爆発 バスケW杯順位決定リーグ ベネズエラ戦


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日本―ベネズエラ 第4Q、3点シュートを決め、3本の指を立てる日本の比江島慎=31日、沖縄市の沖縄アリーナ(小川昌宏撮影)

 日本、フィリピン、インドネシアが共催するバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)は31日、沖縄市の沖縄アリーナなどで行われ、順位決定リーグのO組初戦で世界ランキング36位の日本は同17位のベネズエラに86―77で逆転勝ちした。W杯の同一大会での2勝は前身の1967年世界選手権以来となった。今大会は来夏のパリ五輪予選を兼ね、アジア最上位が出場権を獲得。アジア勢は全6チームが順位決定リーグに回り、日本は唯一の2勝。9月2日に世界64位のカボベルデと対戦し、勝てばパリ五輪出場が決まる。日本は序盤にミスでボールを失う場面が目立った。河村(横浜BC)が攻撃を引っ張ったが、シュートの精度がいまひとつで前半を36―41で折り返した。後半は渡辺(サンズ)や比江島(宇都宮)の3点シュートなどで追い上げ、終盤に比江島の得点で逆転した。日本は2勝2敗。ベネズエラは4敗。もう1試合は世界24位のフィンランドがカボベルデに100―77で勝ち、ともに1勝3敗となった。他のアジア勢は中国とレバノンが勝ち、初白星。フィリピンとヨルダンは敗れて4連敗となった。

 パリ五輪の出場権獲得に向けて、負けられない一戦を迎えた日本。序盤から動きに硬さが見える中、ベネズエラのガーリー・ソホらに得点を許す苦しい展開が続いた。リバウンドからの2次攻撃も受け、徐々にリードを広げられた。前半戦終了時、オフェンスリバウンド取得後の「セカンドチャンス」からの得点は0―14と圧倒されていた。

 日本の大黒柱、ジョシュ・ホーキンソンも徹底したマークを受けて得点を重ねることができない。第2クオーター(Q)以降、河村勇輝がバスケットカウントなどを奪うも、ベネズエラのスリーで流れが断ち切られた。

 最終4Q、残り8分5秒でビハインドは15点に。厳しい場面で輝きを放ったのが比江島慎だった。残り7分20秒、河村のドライブからのパスを受けてスリーポイントを決める。残り5分を切り、さらにスリーポイントを沈め2点差まで詰めると、流れは日本へと完全に移った。残り1分55秒、堅守からの速攻でボールを受けた比江島が相手のファウルを誘い、バスケットカウントを獲得し逆転。フリースローも落ち着いて決めた。第4Qだけで17点の大爆発だった比江島は試合後、「無我夢中だった」と汗をぬぐった。最終的に両チーム最多の23得点と、33歳のベテランが勝利への意志をチームに示した。
 (池田哲平)


(31日・沖縄アリーナ)
【17~32位決定リーグ】
▽O組
日本 2勝2敗
865―77(15―19,21―22,17―21,33―15)
ベネズエラ 4敗