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「当選無効」の取り消し棄却 うるま市議選 県選管の裁決「正当」 高裁那覇支部


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
福岡高裁那覇支部

 2022年10月のうるま市議選で最下位当選した天願浩也氏(31)が、当選を無効とする県選挙管理委員会の裁決の取り消しを求めた訴訟で、福岡高裁那覇支部(三浦隆志裁判長)は31日、「当選を無効とした裁決の判断は正当なものと認められる」とし、天願氏の請求を棄却する判決を言い渡した。天願氏側は上告を検討するとした。判決が確定するまで選挙結果は維持される。

 三浦裁判長は判決理由で、天願氏が訴えていた得票の有効無効判断の誤りの主張を退けた。票の点検方法が不公平などとしていた主張は採用せず、裁決の手続きに「違法があるということはできない」とした。

 天願氏の代理人弁護士は「判決内容を精査し、上告を検討していく」と述べた。県選管の当山尚幸委員長は「一票の重みを常に意識し、今後とも市町村選管への支援を含め、選挙の適正な管理執行に努めて参りたい」とコメントした。

 判決などによると、天願氏は市議選で876.197票を獲得した。約2票差の874票だった伊礼正氏(70)が次点で落選した。市選管への異議申し出が棄却された伊礼氏は22年12月、県選管へ審査を申し立てた。疑義があるとされた6票の点検の結果、伊礼氏の得票数が4票増えて878票と逆転した。県選管は23年3月に天願氏の当選を無効とした。天願氏は同年4月に提訴した。