ハンドボールの第18回八重瀬町長杯争奪第43回県中学生秋季大会は2日、八重瀬町東風平運動公園体育館で男女の決勝を行い、男子は神森が34―24で浦西を制して17度目の優勝、女子は仲西が29―22で神森に競り勝って11度目の頂点に立った。
11―13で2点を追う後半。仲西が横一線守備からの素早いプレスで神森の攻撃を詰まらせていく。パスカットからの単独速攻や皆でつなぐ2次速攻など、堅守からの素早い展開で神森に走り勝った。
前半は1年生フローターの石川奈南や大田千紗の躍動で先行するも、神森のロングパスを多用した攻撃に苦しめられて「守備がふわふわして」(島尻三千夏主将)いる間に逆転を許し、前半を終えた。
ハーフタイム、仲村幸一監督が2年生メンバーに奮起を促すと、主将の島尻を中心に守備体制を確認し、後半に意地を見せた。
守備との距離が近くなった神森の攻撃を詰まらせると、パスカットやGK池村しずなのセーブも増え、速攻がつながっていく。後半3分過ぎの11―14から約5分間、無失点を維持しつつ、積美星空や大田らの速攻で逆転に成功した。相手がタイムアウトで軌道修正を図るも主導権を渡さなかった。神森の南武志監督は「仲西が一枚上手。相手の流れを切るタイミングが難しかった」と悔しがった。
新チームの門出を優勝で飾ったことに仲村監督は「この夏、走り込んできたので後半勝負だと思っていた」と振り返る。目指すべき堅守速攻を体現した島尻は「この大会で一つになった気持ちを強め、全員で戦うチームにしていきたい」と力強く語った。
(嘉陽拓也)
受け継いだ「守って速攻」 男子・神森
浦西のエースに押し込まれたり、守備裏を抜ける相手ポストの連係プレーに手を焼いたりした神森だが、後半は素早いプレスとカバーによる堅守速攻で着実に点差を広げた。控え選手も起用して確実に優勝をつかみ取った。
主導権をつかめない前半でも、内間想太や洲鎌広成、金城藍希らがロングやステップのシュートで実力を見せ、後半は先輩から引き継いだ「守って速攻」スタイルで東江尚らが俊足を飛ばした。それでも、体力不足やパスミスなど課題も多く、各選手に笑顔は少ない。
神森男子は今夏の中体連は九州大会で敗れ、全国大会出場を逃した。先輩の悔しさを知る金城らは「シュートの精度を高め、この優勝を全国制覇へのステップにしたい」と語った。
(嘉陽拓也)