不正薬物、国際線の再開で摘発相次ぐ 那覇空港、昨年10月以降


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
沖縄県警本部(資料写真)

 那覇空港で荷物の中に危険ドラッグや少量の大麻を隠して密輸を企てたとして、県警が7月、台湾からの渡航客で台湾籍の男2人を大麻取締法違反と医薬品医療機器法違反の容疑で逮捕したことが4日までに、関係者への取材で分かった。那覇地検は7月28日付で、このうちの男一人を大麻取締法違反の罪で起訴し、医薬品医療機器法違反の立件も視野に捜査を進めている。那覇空港では昨年10月以降、新型コロナ禍で運休していた国際線の復便に伴い、不正薬物による摘発が続いている。

 関係者によると、男らは那覇空港国際線ターミナルの税関検査場で、バッグ内に大麻や危険ドラッグのRUSH(ラッシュ)を隠し持ち、国内に不正に持ち込もうとした疑いが持たれている。検査の際、税関職員が発見し警察に通報したという。沖縄地区税関は近く、関税法違反の事実で告発するとみられる。

 不正薬物を巡っては、2月、香港国際空港から那覇空港に中国籍の男性2人が大麻を持ち込み摘発された。3月には韓国からドイツ人旅客が覚醒剤約3キロ(末端価格1億7600万円相当)を密輸しようとして摘発された。また、東京都の50代邦人男性がタイからマジックマッシュルームを持ち込もうとしたとして、麻薬取締法違反などの罪に問われ6月、有罪判決を受けた。いずれの薬物も那覇空港の税関検査で発見された。

 今月には新型コロナ禍の影響で運休していた那覇―北京線が約3年半ぶりに運航再開される予定で、クルーズ船など国際線旅客の増加が見込まれる。

 沖縄地区税関は国際線の復便に伴い、薬物などの密輸リスクも高まっているとしていて、石垣税関支署平良出張所を宮古島税関支署に格上げするなど水際対策を拡充し、取り締まりの強化を図っている。