名護市辺野古の新基地建設で軟弱地盤の改良工事などを追加する設計変更について、国土交通相が県へ承認するよう求めた「是正の指示」を巡る訴訟で県の敗訴が確定したことを受け、浜田靖一防衛相は5日午前の閣議後会見で普天間飛行場の名護市辺野古移設を推進する方針を改めて示し「大浦湾側の工事に向けた準備を進めていく」と語った。計画を見直す考えは「ない」と述べた。
判決について「司法の最終判断が示された。県で判決に沿って対応いただけると考えている」と早期に設計変更を承認するよう求めた。
玉城デニー知事が新基地建設断念を求める考えは変わらないとして話し合う場を設けるよう求めていることに「現時点で具体的な開催予定についてはないが、要請や話し合う必要性がある場合には当然話し合いをしていく」と述べた。
工事が長期化しており、今後12年以上かけて工事を進める間も普天間飛行場の危険性が続くという問題に対しては「国の方針に沿って進めなければならない。事態の変化があって時間がかかるというのは目の前にある現実だが、この方針を変更するという考えが今のところない」と断言した。
辺野古移設を巡る問題が行き詰まっている原因を問われ「政権交代などで方向が変わったなど、さまざまな要素が重なり合ってこういう形になっている」とした上で「沖縄の皆さまの理解が得られていない点がないとは言わない。われわれとしての努力が足りなかったのは事実だ」と語った。(明真南斗)