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授業に集中できる環境整備を 教員不足解消へ議論 県総合教育会議


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教員不足の解消に向けた学校の働き方改革の推進について話し合う玉城デニー知事(中央)と教育委員ら=31日、県庁

 2023年度県総合教育会議が8月31日、県庁であった。知事と教育委員会が教育の振興を図るために協議する場で、「教員不足の解消に向けた学校の働き方改革の推進」について意見を出し合った。

 県教委からは教員不足の現状と課題、改善に向けた取り組みの報告があった。教員業務の役割分担や適正化を図る取り組みとして(1)人員を増やす(2)教育DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進(3)業務の精選―の3点を挙げた。

 その上で、藏根美智子委員は教員業務の見直しや改善の重要性を説き「授業に集中できる教育環境に整備することが大切」と述べた。小濱守安委員は「子どもに寄り添う時間が持てれば、いじめや不登校問題改善につながる」と人員増加の必要性を強調。大城進委員は「長時間勤務の改善で教員人気が高まり、教員不足の解消と優秀な学生の志望につながる」とした。比嘉佳代委員は就労継続支援事務所への学校清掃業務の委託を提案し、宮城光秀委員は学校現場のDX推進やネット回線の整備を求めた。

 玉城デニー知事は「業務の精選や役割分担は、行政だけでなく社会全体の意識改革と理解の情勢が必要だ。県民が理解を深め参画することで教育本来あり方を再確認できる」と述べた。県独自のヤングケアラー実態調査の結果と支援事業の報告もあり、委員が意見交換した。
 (高橋夏帆)