【沖縄】戦世(いくさゆ)の子どもたちをテーマにした「コザ孤児院」の資料展が27日まで、沖縄市中央の戦後文化資料展示室(ヒストリート)で開催されている。写真の数々や当時を伝える各種資料、新聞のほか、孤児院の見取り図や日誌など、新たに見つかった資料も展示されている。
キャンプコザの1施設として設置されたコザ孤児院は、1945年5月19日の設置と伝えられる。戦災を免れた民家2軒、その周辺には運動場、遊び場などが整備され、ピーク時は800人が収容されていたという。
今回見つかった資料は、孤児院へ供給されたララ(LARA)物資の数量などを記した資料。中にはビタミンといった記述もあり、市史編集担当の渡真利なおみさんは「子どもの栄養状態でビタミン欠乏の症状が発生したことがうかがい知れる」と話す。
そのほか供給物資には野菜、果物、鎌やシャベルなど日用品が記されている。展示写真には孤児たちの集合写真、中には米兵の「養子」になったと説明のある孤児も写されている。
渡真利さんは「展示会には、自らのルーツを探しに来る人もいる。知り合いを探しに来る人もいて、孤児の戦争はいまだに終わっていないことを実感する」と話している。
展示会は火~日曜日の午前11時から午後7時まで。閉室は月曜日と祝祭日。入場無料。問い合わせは戦後文化資料展示室(ヒストリート)(電話)098(929)2922。