「アイデンティティー 行き過ぎはイスラム国」 国場氏「オール沖縄」批判


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 県内12経済団体で構成する県経済団体会議が13日に開催した島尻安伊子氏の沖縄担当相就任祝いのパーティーで、主催者代表で登壇した国場幸一議長(県商工会議所連合会長)が「アイデンティティーという言葉をよく聞くが、行き過ぎた結果が『イスラム国』であり、米大統領選立候補予定者の差別発言だ」と述べ、“オール沖縄”批判を展開した。来賓あいさつを控えていた翁長雄志知事を面前にしての発言に、会場には緊張した空気が流れた。

 さらに国場氏は「沖縄のアイデンティティーを脱ぐことはできないし、その前に日本国民だ。国防の観点も忘れてはならない。島尻大臣はひるむことなく信念を通してほしい」と述べ、普天間飛行場の辺野古移設の推進についても主張した。出席者からは「国場会長個人の意見であり、経済界全体の見解ではない」と困惑の声が聞かれた。
 これに続いた翁長知事は、那覇市長時代に島尻氏の参院選擁立を主導した経緯を振り返り、沖縄振興への期待を述べたものの、基地問題や国場氏の発言には言及しなかった。
 終了後、国場氏は記者団に「アイデンティティー・ポリティクス(政治)はオール沖縄という(大衆迎合主義の)ポピュリズムにつながる」と主張した。「嘉手納より南の返還による整理統合の将来像を描かないと沖縄振興は前に進まない。辺野古移設はその入り口だ」と述べた。
 島尻氏は「振興担当の大臣だが、(普天間問題は)政府の一員として日米合意に基づく解決を推進する」と述べた。13日の「沖縄担当大臣と沖縄の未来を語る会」には経済関係者や市町村首長など約千人が参加した。