読谷村、キンザー倉庫群受け入れ 再編交付金を受領へ


この記事を書いた人 志良堂 仁
一般質問の答弁を終え、報道陣の取材に応じる石嶺伝実村長=16日午前11時15分ごろ、読谷村議会

 【読谷】読谷村(石嶺伝実村長)は16日の12月定例会本会議で、嘉手納より南の米軍施設の返還・統合計画に関連し、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群などをトリイ通信施設へ移転することを容認し、米軍基地再編交付金を受け取る方針を表明した。石嶺伝実村長は一般質問への答弁で「村民の安全を守るために交付金を利用する」などと説明し「(基地を)ウエルカム(歓迎)するための交付金ではなく、苦渋の選択だ」と強調した。

 返還・統合計画では、牧港補給地区とキャンプ瑞慶覧の倉庫群の一部施設をトリイ通信施設へ移転することで日米が合意している。石嶺村長は過重な基地負担などを理由に、これまで反対の立場を示してきた。
 山城正輝氏が質問した方針転換の理由について、金城広史跡地利用推進課長は「トリイ通信施設内で移転関連工事が始まっていることを受け、同施設を抱える3自治会から住民生活の利便性の向上、地域振興のために交付金を利用したいという要請があった」と説明した。
 その上で「やむをえない事情として村で受け止め、地元が不利益を被ることがないような形で現実的な対応をした」と答弁した。金額については「現段階では示されていない」とした。
 石嶺村長は「基地再編によって住民の安全が阻害されることを防ぐための事業なので、村民の安心安全のために交付金を利用する」と述べた。
 答弁を終え、報道陣の取材に応じた際には「本心は県外、国外だ。しかし現実的にまず基地を除去していくという中で、現在は苦難、苦渋の選択をしなければならない」と話した。