シンポジウム「宜野湾から沖縄の未来を考える-基地・経済・地方自治」(新外交イニシアティブ主催)が18日、宜野湾市民会館で開かれた。沖縄の過重な基地負担への向き合い方や、基地経済をめぐる誤解の払拭(ふっしょく)、「抑止力論」によって沖縄への基地集中を正当化する言説に対し、沖縄側から理論的で明確なメッセージを発していく必要性などで意見を交わした。
基調講演と討論で登壇した古賀茂明氏(元経済産業省官僚)は、日米安全保障条約は日本が米側を守る義務がなく「片務的」だと言われることについて「沖縄の負担を完全に忘れた議論だ。沖縄には騒音、事故、犯罪もあり、県民の意思を踏みにじられる屈辱を負っている」と指摘した。「米国はいざという時に助けるというが、尖閣諸島の近くにいる中国船を追い払いもしていない。むしろ逆の意味で片務的だ」と強調した。
呉屋守将金秀グループ会長は自身が昨年の県内主要選挙で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する候補を応援したことに触れ「これは政治運動ではなくウチナーンチュの人権を守る運動だ。経済を大事にするからこそ平和と民主主義が大事だ」と強調した。
當山智士かりゆし社長は「基地問題で沖縄は差別されていると言われるが、観光で沖縄を訪れる人は誇り高く生きる沖縄に憧れている。平和ツーリズムとして辺野古にバスが10、20台連なるようになっていいのではないか」と提案した。
石川達也沖縄タイムス編集局次長は「森本敏元防衛相は『沖縄に米海兵隊を置くのは政治的な理由』と言っている。9割近くの国民が日米安保を容認する中、米軍基地が来るのは嫌だと言う。果たしてそれでいいのかと沖縄側から声を大にしてものを言っていかないといけない」と提言した。
英文へ→Intellectuals oppose arguments that bases in Okinawa are indispensable