高専屋内も基準値超 米軍ヘリの低周波音 渡嘉敷琉大准教授調査


この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤

 【名護】名護市辺野古の沖縄工業高等専門学校の屋内で観測された米軍ヘリによる低周波音が、環境省が定めた心理的影響の基準を上回っていたことが21日、琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)の調査で分かった。屋外では物などが揺れる「物的苦情に関する参照値」も上回った。同校の屋内で基準値を超える低周波音が観測されたのは初めて。同校の生徒が屋内でも米軍機による低周波音にさらされている現状が明らかになった。

 基準値を超える低周波音が観測されたのはCH53米軍大型ヘリ2機による訓練時で、低周波音が同機などに比べて大きいオスプレイが訓練する際は、さらに大きな値が観測される可能性がある。
 調査は15日に実施した。午後4時18分に屋内で20ヘルツの周波数に76.4デシベルと、環境省が定めた心理的影響の基準「心身に係る苦情に関する参照値」を0.4デシベル上回った。屋外は午後4時16分に20ヘルツで83.8デシベルと「心身に係る苦情」を7.8デシベル、物などが揺れる「物的苦情に関する参照値」を3.8デシベル上回った。
 渡嘉敷准教授は「室内で低周波音が実測値として確認できた。基地が辺野古に移設されたら影響が広がる可能性がある」と指摘した。
英文へ→Low-frequency noise from CH-53 helicopters exceeds assessment standards at NIT, Okinawa College