ハンドボールの日本選手権は22日に開幕し、愛知県体育館を主会場に27日まで熱戦が繰り広げられる。日本リーグ(JHL)所属の琉球コラソンは25日の準々決勝から登場し、トヨタ自動車東日本と初戦を戦う。
日本選手権は今年初開催。従来の「全日本総合選手権」を改称し、競技普及と競技力向上を目的に高校やクラブチームにも門戸を広げた。JHL所属チームと大学2校に加え、全国9地域のブロック大会を勝ち上がった都道府県代表が出場権を獲得し、男子24、女子20チームが参加している。
コラソンはリーグで現在6位につけ、直近の試合は5連敗した。日本選手権の初戦で当たるトヨタ自動車東日本は現在リーグ3位。コラソンにとっては12月の試合で22―27の大差で敗れた相手だけに厳しい戦いになるが、流れを変えるためにも今大会はいい内容で終えたいところだ。台湾出身の新戦力も加え、課題の得点力不足をどこまで改善できるかが鍵を握る。試合は午後1時50分開始。インターネットサイト「Ustream(ユーストリーム)」で動画配信される。
◆コラソン初の外国人 趙のデビュー注目/長身のシュート武器
コラソンは今月、初めての外国出身選手と契約を結んだ。台湾出身でナショナルチームにも選出された趙顯章(チャオ・シャンチャン)は、196センチの長身に加え左利きを生かしたシュート力が武器で、デビュー戦となる日本選手権でのプレーに注目したい。
趙は台北市出身の24歳で、ポジションはライトバック(右サイド)。国際大会の経験は豊富で、昨年のアジア大会にも出場した。知人にコラソンの水野裕矢GMを紹介され、加入に至った。コラソンでの練習に参加し、「日本人は練習にもこだわりを持ってやっていて真面目に取り組む。全体的にレベルが高い」と印象を語る。日本語をほとんど話せないため、最初は指示が理解できず戸惑ったというが、ホワイトボードを使って説明してもらうなどして対応した。同じ競技をしてきたアスリート同士、分かり合える部分も多く「経験を積んでいるので弊害はない」と言う。そして若者らしく「生活や文化の違いも含めて全て楽しみたい」と日本での抱負を笑顔で語った。(大城周子)