1人暮らしへ「自炊力」 伊江中、来春巣立つ53人に漁協が「魚料理教室」


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指導を受けながら魚さばきに挑戦する生徒=15日、伊江中学校

 【伊江】魚食普及事業の一環で伊江漁業協同組合(八前隆一組合長)は15日、伊江村立伊江中学校(宮里嘉昌校長)の3年生53人を対象に「魚料理教室」を開いた。高校進学などで親元を離れて暮らす子どもたちが自炊力を身に付け、魚料理に親しみを覚えてほしいと、組合員と女性部員ら8人が魚のさばき方などを指導した。

 離島漁業再生支援交付金を活用した。調理前には、組合理事の宮里和義さんがマグロの解体を実演した。マグロは、組合員で魚さばきの指導にも当たった上間直也さんが伊江島近海で釣り上げた全長約1メートル30センチ、重さ約33キロのメバチマグロ。実演で宮里さんはマグロの部位や包丁を入れる手順、こつなどを解説。切り落とされるごとに生徒は「オー、すごい」「おいしそう」などと歓声を上げ、ほんの数分で解体された見事な包丁さばきに大きな拍手が湧き起こった。
 3年生に用意された魚は伊江島産のミーバイとタマン。うろこを取り、内臓を取り除いてぶつ切りにした。自分たちでさばいた魚で煮付けと魚汁を作り、解体されたマグロを刺し身やたたきにして味わった。調理の途中、心臓などの部位の説明を受けた生徒は「理科の実験みたい」と会話し、魚を怖がる仲間には「ありがたくいただこう」と生徒同士で声を掛け合った。玉城涼帆さんのグループでは「1人暮らしをした時、みんなで集まって魚をさばいてみよう」と盛り上がっていた。
 組合からイカスミ餃子「墨ちゃん」、伊江島産ラッキョウ入りの「伊江餃子」、もずく鳥メンチカツの提供があり、魚料理と一緒に味わった。
(中川廣江通信員)