生産者「詳細情報を」 TPP、那覇で説明会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
TPP対策などについて生産者らに説明する農水省職員=21日、那覇市の県水産会館

 沖縄総合事務局は21日、那覇市内で環太平洋連携協定(TPP)に関する政策大綱を踏まえた農林水産分野の対策やTPPに関連する補正予算、次年度予算事業について説明会を開いた。水田・畑作や園芸、畜産の3部門に分かれ、分野ごとに詳細な説明会も行われた。出席者からは「水産物は魚種(種類)が細かい。TPPに関する詳細な情報がほしい」などの意見が上がった。農水省は「協定発効までに、国内農水産業の生産基盤を整備していく」と説明した。

 畜産分野説明会で、農水省職員は「日豪経済連携協定(EPA)発効から2年経過したが、枝肉価格は発効前より高くなっている。畜産は多品目に比べ関税引き下げは大きいが、国際的、国内的な需給も関係する」と説明。
 鶏卵生産者からは「鶏卵も関税撤廃されるが、牛や豚に比べ対策がない」など具体的な対策を求める声が出た。一方、養豚生産者からは「畜舎を建て替えたいが、周辺地域の同意書がなければ建て替えられない。なんとか支援してもらえないか」と生産環境変化に伴う国の支援を要望した。
 水田・畑作の説明会は、輸入品から調整金を徴収して農家の交付金に充てる「糖価調整制度」の維持を評価する声が上がった。生産農家などへの一括交付金を活用したきめ細かな支援を要望する声も相次いだ。
 TPP交渉に携わった梶島達也農林水産省大臣官房参事官をはじめとする農水省職員19人が出席し、出席者からの質疑に答えた。