辺野古移設後、騒音は宜野湾大山並み アセスデータで判明


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 【名護】米軍普天間飛行場が名護市辺野古に移設された場合、辺野古区周辺の航空機騒音は激しくなり、現在の普天間飛行場周辺の宜野湾市大山区周辺と同レベルになることが、名護市や県のデータ、国の環境影響評価書で明らかになった。安倍晋三首相は22日の施政方針演説であらためて「騒音対策が必要な住宅はゼロになる」と強調したが、移設後は騒音被害がひどくなる可能性があることがデータで示された。

 名護市がまとめた辺野古区での2014年度の平均のW値(うるささ指数)は55・8で、国の環境影響評価書で移設後に同区で予測されるW値は67・2だった。評価書の値は国が防音工事が必要と定めた基準値75を下回るが、移設で騒音は現在の騒音より11・4増え、普天間飛行場から約1キロの距離にある宜野湾市大山区の14年度の平均W値67に相当する。
 琉球大の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)は「あくまでも平均であり、厳しく分析した数字だ。実際はもっとうるさくなる可能性がある」と指摘した。