沖縄地方の1月降水量、過去最多 エルニーニョ影響


この記事を書いた人 田盛 良一

 沖縄気象台は29日、1月の沖縄地方の平均降水量が1946年の統計開始以来、最も多くなることが確定したと発表した。28日までの暫定値は平年比2・5倍となった。3カ月予報では、2月も平年より降水量が多くなる見込みだ。暖冬や日照時間が少ない状態も続いており、多雨と合わせてサトウキビの糖度低下も懸念されている。

 気象台によると、20世紀最大規模と言われた82年、97年に次ぐ規模のエルニーニョ現象が発生しており、その影響でフィリピン付近の高気圧が強まっている。そのため、沖縄に南から暖かく湿った空気が流れ込んでいるのが記録的な降水量の要因とみられる。
 県内33カ所の観測点のうち、28日時点で1月の降水量が最多となるのが確定しているのは21カ所。29日以降の降水量によっては、さらに増える可能性がある。宮古島地方と八重山地方は12月から、沖縄本島と大東島地方では1月から降水量の多い状態が続いている。28日までの雨量が最も多いのは石垣市伊原間の498・5ミリで、平年比約3・4倍となっている。
 県糖業農産課は、昨年から続く雨や日照不足について「ことしは異常だ」と指摘。「キビが糖度を蓄える11~12月は暖冬で、糖度低下が心配だ。加えて、長雨の影響でキビが水分を吸い込み、さらに糖度が下がる可能性もある」と話した。