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中2で大麻「興味本位。結構いるよ」10代少女が明かす実態 購入資金ほしさに売人になる少年も


社会
中2で大麻「興味本位。結構いるよ」10代少女が明かす実態 購入資金ほしさに売人になる少年も 中学2年の時に公園で大麻を使用したと話す少女=県内
この記事を書いた人 Avatar photo 高辻 浩之

 「中学2年の夏に初めて大麻を吸った。興味本位ってやつで。私だけが特別じゃない。大麻吸ったことある中学生なんて、結構いるよ」。沖縄本島在住の10代の少女が8日までに琉球新報の取材に応じた。若年者を取り巻く、県内の大麻汚染の現状を語るとともに、「もう二度とやらない」と大麻との決別を口にした。

 警察庁のまとめによると、2022年に大麻取締法違反の疑いで摘発された少年(14歳~19歳)は全国で912人に上る。このうち中学生は11人で、22年からの過去10年で最多となった。県内では今年8月、本島中部の公園で大麻を所持していたとして、男子中学生(14)が大麻取締法違反の疑いで逮捕された。県警関係者によると、県内では10代や20代の若年層を中心に大麻が横行していて、大麻使用の低年齢化が危惧されている。大麻は覚醒剤などの依存性が強い薬物使用につながるリスクをはらむため、若年者の使用は危険だという。

 少女は数年前、14歳で大麻を初めて使用した。知り合いの成人男性から譲り受けた大麻を、公園で友人らと回し吸いした。嫌なことが重なり気持ちがすさんでいたという。「やばい物とはわかっていたけど、前から興味はあった。『どうにでもなれ』と逃げ出したい気分だった」と振り返る。少女は琉球新報の取材を受けた日の約2週間前にも、大麻を使用したと明らかにした。「SNSを使えば、中学生でも手に入る」とあっけらかんと話す。

 いずれの大麻もSNSなどを介して県内で入手した。ジョイントと呼ばれる巻かれた大麻が1本3千円程度、乾燥大麻が1グラム約8千円が相場で、SNSの通話機能を使ってやりとりする。大麻の購入資金ほしさに、仕入れた大麻に金額を上乗せして再販したり、偽物を混ぜて売ったりする売人行為におよぶ少年らもいるという。

 少女は初めて大麻を使用した後、罪の意識から1年近くは大麻を手にすることはなかった。その後、将来の不安などから再び大麻に手を染めた。以降、数カ月に一度、数週間に一度と使用間隔が短くなっているという。「吸っては、後悔して。もう吸わないと決めて、また吸って。後悔の連続」と目を伏せる。大麻使用後、路上にうずくまって動けなくなった友人を保護した経験もある。

 少女の大麻使用を知った友人らは、少女を敬遠し、周囲から次々に離れていった。取材の最後に少女は「まだ本気で心配してくれる友だちがいる。裏切りたくない。大事な友だちを全員失ってまで大麻をやりたいとは思わない。もうやらない」と大麻との断絶を約束する。

(高辻浩之)