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女性ら伝統の舞、辺士名区「七月モーイ」 豊穣や子の成長願う 4年ぶりの開催 国頭


女性ら伝統の舞、辺士名区「七月モーイ」 豊穣や子の成長願う 4年ぶりの開催 国頭 辺土名区の女性らによるティング屋敷前道路での奉納踊り=8月29日、国頭村辺土名
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 【国頭】国頭村辺土名区(前田善勇区長)は8月29日、公民館前広場で辺土名区七月モーイおよび盆踊り(宮里芳樹実行委員長)を開いた。新型コロナウイルスの影響により中止が続いたが4年ぶりの開催となった。会場には、区民や他の地域住民らが足を運び、行事を楽しんでいた。七月モーイは区民の健康と区の繁栄を願う伝統文化として、次世代への継承と保存とともに「五穀豊穣(ほうじょう)」「子どもの成長」を祈願する。辺土名区伝統行事として豊年祭と交互に隔年で開かれる。

 29日午後3時、公民館前の世神の宮で関係者による安全祈願が行われた。その後、午後3時半頃から女性7人による辺土名西平・ティング屋敷での奉納踊りがあり、その場所から移動して辺土名上島・乃ン殿内でも披露された。女性らは炎天下の中、無事に奉納踊りを終え、午後7時からの本番に備えた。

 午後7時開演の七月モーイの会場では、辺土名区の女性9人が舞台のやぐらに上がり、その周りを残りの女性らで囲み、約30人が古くから地域に伝わる「七月モーイ」と、従来の七月モーイの太鼓拍子に三味線を加味した新たな歌詞と振り付けで踊る「新エイサー」を披露した。両催しの唄者を知念桜さん、宮城久美子さんが務め、新エイサーの地謡三味線は平安山英信さん、玉城孝さん、宮城清弘さんが務めた。

 行事の最中には、旧盆の3日間、道ジュネーエイサーで国頭村内20集落(この日は8集落)を巡回していた青年団協議会メンバーが会場に立ち寄り、勇壮で熱気あふれるエイサーを披露した。最後には青年会による手作りの花火が公民館屋上から打ち上げられ、大きな拍手や指笛が響き会場が盛り上がった。

辺土名地区公民館前広場で踊る辺土名区の女性ら=8月29日、国頭村辺土名区

 宮里実行委員長は「久々に区民が集い、地域活性化と相互の親睦を図る良い機会で、区民みんなで盛り上げていきましょう。諸準備に関わった区民や各団体に感謝いたします」とあいさつした。

 前田善勇区長は「区の婦人の皆さんには、毎晩踊りの練習に励んでいただき大変ご苦労さまでした。辺土名区のますますのご繁栄を祈願します」とあいさつした。

 (新城高仁通信員)