PAC3先島へ出発 政府、北朝鮮ミサイルで自治体説明会


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 北朝鮮による「ミサイル」発射問題で政府は4日、県や市町村向けの説明会を開いた。発射は南向けでミサイルが先島諸島上空を通過する可能性があるが、政府は説明で「ミサイルがわが国に向かって飛翔(ひしょう)することは通常起こらない」との見解を示した。一方、「万が一」に備えるとして4日午前、航空自衛隊が地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を広島県呉から沖縄に向けて搬出した。関係者によると、PAC3は石垣市に6~7日、宮古島市に7~8日に到着する方向で調整している。

 発射に備え、消防庁は5日午前10時に全国瞬時警報システムの「Em-Net(エムネット)」、同11時からは同システムの「Jアラート」の運用点検を目的に、県内全市町村で情報伝達訓練を実施する。Jアラートの試験は受信した市町村を通じ、防災無線で「これはテストです」と放送する。
 一方、消防庁は北朝鮮が実際にミサイルを発射した場合、Jアラートを通じて沖縄を対象に防災無線で発射の事実を伝える。また今回は初めて携帯電話大手3社を通じたエリアメールでも発射を伝達する。
 防衛省は沖縄に空自のPAC3部隊と陸自の警備部隊を送るほか、被害対処のための救援部隊を石垣市、宮古島市、与那国町、多良間村に派遣する。与那国町によると、同町には5日にも隊員の派遣が始まる。警視庁も核兵器や生物化学兵器に対処する特殊部隊を宮古、石垣に派遣する方向で検討している。
 県からは発射から沖縄上空通過までの時間に関する質問があり、政府は「2012年12月の事例だと発射から10分程度だった」と説明。宮古島市からは発射があった際に学校はどうすればいいかと質問があり、政府は「平常通りの生活を送ってほしい」と回答した。