知事「心臓凍る思い」 北朝鮮ミサイル発射、外交努力求める


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飛行体発射を受け北朝鮮を批判する翁長雄志知事=7日午後2時20分、県庁

 北朝鮮「ミサイル」発射問題で、翁長雄志知事は7日午後、県庁で記者団の取材に「発射から6、7分で沖縄上空を通過した。弾道ミサイルも迎撃ミサイルも、どの程度の精度か分からない。県民の生命財産を預かる知事としては心臓が凍る思いだ」と述べた。発射については「核実験の強行に続く国連安全保障理事会の決議違反で、日本の安全保障上、重大な挑発行為であり大変遺憾だ」と強く批判した。

 翁長知事は2001年の米中枢同時テロの際には米軍基地を抱える沖縄を訪れる観光客数が大きく落ち込んだことにも触れ「緊張を高めず、近隣諸国が平和的にやっていける外交努力が大切だ」と述べた。
 「ミサイル」発射に備えて自衛隊が県内に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開したことについては「万が一の対応だ。的確だったと思う」と評価した。一方で「それはそうとして、これからの抑止力や防衛の在り方はやはり慎重、真剣に県民に説明する中から判断してほしい」と話した。
 名護市辺野古の新基地建設に絡め「『沖縄に基地が必要ではないか』という印象が強まるのではないか」との質問には「ある意味で痛しかゆしだ」と述べた。その上で「私の考えはあるが、突発的なものの中でこういう話をすると、伝わりづらいところもある」と慎重な見方を示し「北朝鮮のミサイルの脅威は日本国全体で考えることが大切だ」と述べた。