石綿、19年にも県内で最終処分 名護安和で受け入れ


この記事を書いた人 田盛 良一

 県は9日までに、飛散性アスベスト(石綿)を含む廃石綿を県内で最終処分することを決めた。県が民間と共同で名護市安和に整備している産業廃棄物管理型最終処分場で、早ければ2019年にも受け入れる。県内に産廃の最終処分場は3カ所あるが、飛散性の廃石綿は受け入れていないため、現在は事業者が県外に運び出している。県外搬出は受け入れ先との事前協議が必要で、排出事業者の輸送コストもかさむことから、県は「廃石綿の処理を県内で完結することで、県経済への負担を軽減できる」としている。

 現在は米軍基地で排出された廃石綿を含め、飛散性は県外に運ぶ必要がある。昨年も、名護市の米軍キャンプ・シュワブの兵舎解体で見つかった飛散性の廃石綿が県外に搬出された。
 名護市安和の処分場は既に用地取得を完了し、17年3月までに一部着工し、19年3月までに完成予定。埋め立て容量は9万立方メートル、埋め立て期間は15年間で、周辺環境への影響が少ない屋根付きの施設になる。廃石綿は事業者が薬剤で固めるなど飛散しないよう中間処理したものを受け入れる。処分場の一定の場所に集め、処分方法などを記録した上で埋める。
 県によると産廃最終処分場の容量が切迫している影響で、廃石綿だけでなく産廃全般を県外に搬出している状況がある。13年度の廃石綿を含む産業廃棄物の県外搬出量は約1万4千トンで、搬出量約94万トンの1・5%。最終処分量の約6万1千トンと比較すると県外搬出が5分の1近くに達する。
 県は「石綿が使われた時期の建物が老朽化して取り壊されるため、廃石綿の処分量は年々増えると予測される。全国的に都道府県ごとに最終処分している地域が多く、沖縄も受け入れ可能な処分場を県内に造る必要があった。県が関与する形で地域と話し合いながら進めたい」としている。(宮城隆尋)