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国頭村の「浜共同店」の昔の写真探しています ホームページで地域の魅力を発信へ


国頭村の「浜共同店」の昔の写真探しています ホームページで地域の魅力を発信へ 地域の歴史や写真をホームページで残したいと計画する浜共同店の店主・山城吉秀さん=6日、国頭村浜
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 【国頭】国頭村浜の「浜共同店」が昨年10月に個人経営の形で営業を再開してから、もうすぐ1年を迎える。店主の山城吉秀さん(66)は共同店を地域の憩いの場として活用しつつ、歴史や文化を後世につなげようと、昔の写真を集めたホームページの開設を目指している。地域住民や故郷を離れた人に逸話や写真の提供を募っている。写真は共同店でスキャンしてデータを取り込むため、その場で返却できる。「浜の魅力を後世に伝えるため、ぜひ協力してほしい」と呼びかけている。

 浜共同店は2006年に閉店し、11年に再開したが21年に再び店を閉じた。その後、浜出身で広告会社を退職した山城さんが受け継ぎ、22年10月から営業を再開させている。開店当初は、どのような商品を取り扱っていいか分からず苦労したという。

 「浜の人はこの商品が好きだよ」。地域の利用者と触れ合い、話を聞く中で品ぞろえを充実させてきた。地域の子どもたちに、テストで100点を取ったら、あめ玉を1個贈呈するサービスも開始し、学校からテストを持参する子も多くなってきた。

 山城さんの幼少時代、浜集落の人口は700人台だったが、現在は300人を割り込み、高齢世帯が多くなった。山城さんは買い物弱者のお年寄りのために復活を決めたが、経営は安定せず、試行錯誤しながら継続している。

 店舗を営業する中で「地元を愛することができるように、昔の写真を集めてアーカイブ化したい」との思いが強くなったという。現在は店舗の一部を整理中で、机やいすを置き、地域の人が「ゆんたくして遊べるスペース」を計画中。そこにも浜集落の昔の写真を飾る予定だ。

 山城さんは「自分たちの世代で今動かないと歴史が途絶えてしまう。浜はいいところだね、と思えるようなホームページを作りたい」と語った。山城さんはサイト作成に向けた補助金を県に申請し、準備を整えている。ホームページへの協力や問い合わせは、電話0980(43)5319(浜共同店)。
 (池田哲平)