防衛相「辺野古が唯一」 知事の国連演説は「承知」も従来方針を強調


防衛相「辺野古が唯一」 知事の国連演説は「承知」も従来方針を強調 閣議後の会見で質問に答える木原稔防衛相=19日午前、防衛省
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 【東京】玉城デニー知事が国連欧州本部で開かれた国連人権理事会で、民意に反して名護市辺野古の新基地建設が強行されていると訴えたことを巡り、木原稔防衛相は19日午前の閣議後会見で「知事の発言は承知している」としつつ「(普天間飛行場の)辺野古移設が唯一の解決策だという政府の方針に基づき、これからも着実に工事を進めていきたい」と述べた。


 沖縄の過重な基地負担について「政府としては重く受け止めている。政府の最重要課題の一つとして負担軽減に取り組んでいく」と語った。県内で負担を移動する辺野古移設計画では基地集中が解消されないとの指摘に対しては「さまざまな意見があることは承知している」と述べるにとどめ、改めて「辺野古が唯一の解決策」という政府方針を強調した。

 普天間飛行場所属の米海兵隊輸送機MV22オスプレイが新石垣空港(沖縄県石垣市)や大分空港(大分県)などへ緊急着陸を繰り返している問題で見解を問われ、「予防着陸」と強調した。その上で米側に原因に関する情報提供と安全管理の徹底を申し入れたと明らかにした。

 南西地域の防衛体制強化に関し「中国は近年、軍事力を質量ともに広範かつ、さらに急速に強化している」とし、「南西地域の防衛体制の強化はわが国の防衛にとっては喫緊の課題だ」と話した。2023年度中にうるま市の勝連分屯地に地対艦ミサイル部隊を配備する計画や県内に駐屯する陸上自衛隊第15旅団を増強して師団化する計画を紹介。これらの部隊配備が「国民の安全につながる」とし「地元の自治体にしっかりと説明しつつ、防衛力の抜本的強化の実現に向けて全力で取り組んでいく」と語った。(明真南斗)