県内地価、前年比4.9%増 観光需要、消費回復が顕著


県内地価、前年比4.9%増 観光需要、消費回復が顕著 33年連続で県内最高価格地点となった那覇市松山1の1の14=19日
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 県は19日、今年7月1日時点の県内地価調査結果を発表した。林地を除く全用途の平均変動率は前年比プラス4.9%で、2014年から10年連続で上昇した。新型コロナウイルスの制限緩和で観光需要や県内消費の回復が顕著となり、商業が活性化したほか、住宅需要は底堅さを維持し、上昇率が拡大した。上昇したのは244地点で、前年から49地点増加。上昇率は2022年調査に比べ2.2ポイント拡大し、3年ぶりに全国一の伸び率となった。土地取引需要が全県的に広がる中、今年5月のコロナ5類移行もあり、上昇傾向は続くとみられる。

 県内の地価を用途別に見ると、住宅地の上昇率が8年連続で全国一の4.9%、商業地の上昇率が全国2位の4.8%だった。

 上昇が続く土地価格事情から、那覇市とその周辺だけでなく中部圏などでも住宅建設の引き合いが強まり、全体を底上げした。商業地は観光客増加で空き店舗が減少するなど、観光地を中心に上昇幅が大きかった。

 工業地は前年調査から2.2ポイント縮小したものの、10.0%で、9年連続で全国一の上昇率を継続した。活発な物流を背景に倉庫の建設需要が高まっているとみられる。

 地価は公共事業用地の取得価格の算定などに用いられる。県内の基準地数は、林地を含め前年と同数の284地点。

 最高価格地点は、住宅地が7年連続で那覇市天久2丁目内の1平方㍍当たり33万3千円(プラス0.9%)、商業地が33年連続で那覇市松山1の1の14で同127万円(同4.1%)だった。

 上昇率が最も高かった地点は、恩納村真栄田真栄田原36番外の28.9%、商業地は宮古島市平良下里大嶺356番61外の19.0%、工業地は浦添市勢理客4の555の5で14.0%だった。(謝花史哲)