修学旅行のバス、運転手不足で1200台手配できず 沖縄県が人材誘致へ予算計上


修学旅行のバス、運転手不足で1200台手配できず 沖縄県が人材誘致へ予算計上 観光バス会社の駐車場に並ぶバス=26日午後、糸満市西崎町(小川昌宏撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 與那覇 智早

 県内のバスの運転手不足が加速し、10~12月の修学旅行シーズンに配車予定の観光バスが26日時点で累計約1200台分の運行が手配できていないことが、同日までに分かった。バス会社関係者が試算した。車両台数は足りているため、他県から運転手などを確保できれば修学旅行への対応が可能だとして、県は人材誘致のために約4千万円を充てる方向で県議会9月定例会に先議案件として提案している。

 県がバス運転手・ガイドの誘致に特化した予算を計上するのは初めて。10月1日~12月31日までの期間で、修学旅行を受け入れる貸し切りバス事業者に対する補助となる。

 沖縄総合事務局によると、県内本島の貸し切りバス事業者は2023年3月末時点で39社。コロナ前の2019年は48社あり、942台が稼働していたが、22年3月末では216台減の726台となった。運転手不足により、稼働しているバスは6~7割程度と推測される。バス会社関係者の試算では180人の運転手が不足している。

 バス会社などによると、運転手不足の背景には、高齢化やコロナ下での離職が増えたことなどがあるという。

(與那覇智早)

背景を詳しく

【深掘り】県外から人員呼び寄せ、午前と午後で別の学校を送迎… バス運転手不足が深刻化、修学旅行の受け入れ維持に四苦八苦

 沖縄のリーディング産業の観光を長年支えてきた修学旅行の受け入れ体制が危機的状況に陥っている。貸し切りバスの運転手不足が深刻化していることを受け、県が初めて人材 …