有料

水道料金、来年度に3割値上げ検討 沖縄県企業局 28市町村に供給、家庭向け料金に影響も


水道料金、来年度に3割値上げ検討 沖縄県企業局 28市町村に供給、家庭向け料金に影響も
この記事を書いた人 Avatar photo 梅田 正覚

 県内28市町村に水を供給する県企業局(松田了局長)が、市町村への水道料金を3割程度値上げする方向で検討していることが26日、分かった。近年は老朽施設の更新や電気料金の値上げを受けて、経費は年間50億円上昇している。このため2024年度から1立方メートル当たり三十数円の改定が必要と算定した。24年度には収支が大幅赤字になり、25年度には内部留保も尽きる見通し。現在外部有識者で構成する企業局経営評価委員会に意見を聞き、受水市町村への説明会も開催する。

 住民が支払う水道料金は各市町村で定められており、それぞれの水道事業の経営状況によってはコスト上昇分が価格転嫁され、各家庭の水道料金が上がる可能性もある。

 改定期間は24~27年度の4年間となる。水の供給単価は1993年から現在まで、1立方メートル当たり102円24銭(税抜き)。この間、消費増税に伴う増税分の値上げはあったが、供給単価の税抜き価格の変動はなかった。改定されれば1993年以来、30年ぶり。

 企業局の試算では建設工事費は93年度より1.39倍、電気料金も1.49倍となった。2023年度は約12億円の純損失を計上する見込みで、価格改定をしないと24年度以降は毎年約20億円の純損失が発生する見込み。内部留保は24年度は38億円あるが、25年度は19億円、26年度には尽きて30億円の赤字に転じる見込みだ。

 企業局は「水道用水の安定給水を継続していくため、水道料金を改定する必要がある」とした。早ければ県議会11月定例会に料金改定条例を提出する。

(梅田正覚)