【東京】沖縄県の米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、斉藤鉄夫国土交通相は29日の閣議後会見で、沖縄防衛局による軟弱地盤改良工事の設計変更申請を承認するよう玉城デニー知事に求める「勧告」に続く「指示」をする行政文書を28日に発送したことについて、「勧告、指示はいずれも適切な対応だったと考えている」と述べた。指示の期限や代執行に踏み切る時期などについては「現時点で決まっていることはない」と明言を避けた。
玉城知事は、斉藤国交相から辺野古の地盤改良工事の設計変更申請の承認を巡る勧告を受け、期限とされていた27日に「承認は困難」などと明記した文書を国交省側に送付していた。
閣議後会見で「指示」の文書を発送したことや、「承認は困難」とした玉城知事の回答に対する受け止めを問われた斉藤氏は、2022年4月から総務省の国地方係争処理委員会、福岡高裁那覇支部、最高裁で審議を重ねた点に触れ言及し「昨年4月からの経緯がある」と強調。報道陣から「時間の猶予を与えたという意味合いか」と発言の趣旨をただす質問もあったが、「昨年4月からの経緯を踏まえると勧告、指示は適切な対応だった」と同じ答弁を繰り返した。