陸自の一般開放イベントで戦闘訓練公開へ 石垣駐屯地 事前に隣接集落の住民向けに空包を実演


陸自の一般開放イベントで戦闘訓練公開へ 石垣駐屯地 事前に隣接集落の住民向けに空包を実演 空砲の実演で白煙が上る陸上自衛隊石垣駐屯地=9月30日、石垣市(読者提供)
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 【石垣】陸上自衛隊石垣駐屯地は7日に駐屯地内を一般開放し、小銃や機関銃などの空包を使用して島しょ防衛を想定した戦闘訓練を公開する。訓練の事前周知などを目的に、9月30日には駐屯地に隣接する開南集落の住民向けに空包の実演をした。空包の音を聞いた住民からは「想像以上に大きな音」「やめてほしい」と懸念の声が上がっている。

 石垣駐屯地によると9月30日午後3時から1時間半程度、30発ほど機関銃と小銃の空包を鳴らし、発煙筒で煙をたいた。住民は開南公民館前や道路沿い、駐屯地内のグラウンド予定地で空包音を聞いたという。

 空包を使った訓練は県外の自衛隊施設でも実施している。石垣駐屯地は今回の訓練展示について「台湾有事」など特定の事案を想定したものではなく、一般的な島しょ防衛訓練を行うと説明した。訓練を公開する目的は「自衛隊活動を地域住民に理解してもらうため」とした。

 40代の男性は想定以上の空包の音に「受け入れられない」と拒否感を示した。「今後は空包の使用はやめてほしい。だけど、どうなるか分からないね」と声を落とした。住民の中には「(中山義隆)市長にも実際に音を聞いてほしい」と求める声があるという。

 80代の女性も空包訓練は「やってほしくない」と望みつつ、「どうしようもない」と諦め感を漂わせた。
 駐屯地の担当者は本紙の取材に「大きな音を不安に感じる人もいるだろうと、事前に(開南に)連絡した」と説明する。空包を使った訓練は「今後も実施していく。住民には必ず事前に伝えるようにする」と述べた。(照屋大哲)