有料

辺野古設計変更、玉城知事は承認の是非を示さぬ公算 国交相の指示、きょう期限 国は代執行訴訟へ


辺野古設計変更、玉城知事は承認の是非を示さぬ公算 国交相の指示、きょう期限 国は代執行訴訟へ 退庁する玉城デニー知事=3日午後8時39分、県庁(又吉康秀撮影)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に関し、斉藤鉄夫国土交通相が大浦湾側の軟弱地盤改良工事の設計変更申請を承認するよう県に指示したことを巡り、玉城デニー知事は3日夜まで、県幹部らと協議を続けたが結論が出ず、4日の期限内に承認か不承認を示せない公算が大きくなった。知事が承認の是非を示さないことになれば、国は福岡高裁那覇支部に代執行訴訟を起こし、勝訴すれば大浦湾側の工事に着手する見込み。

 玉城知事は3日午後5時ごろから、照屋義実副知事、池田竹州副知事と県庁6階の執務室で、国交相の指示にどう対応するかの協議を続けた。午後8時半すぎに執務室を出ると、報道陣の質問にも無言を貫きエレベーターに乗り込んだ。池田副知事は「まだ決まっていない。明日(4日)調整する」と話した。

 指示の期限が迫る中、3日の県議会9月定例会代表質問では、与野党から知事の今後の判断に関する質問が相次いだ。照屋大河氏(てぃーだ平和ネット)は、国土交通相が県に設計変更申請を承認するよう求めた「是正の指示」を巡る訴訟で、県の敗訴が確定した9月の最高裁判決についての受け止めを聞きながら、判断を問うた。

 玉城知事は判決について「県が主張した公有水面埋立法の承認要件の不充足性についてなんら判断せず訴えを退ける判断をした。最高裁には、憲法が託した法の番人としての矜持(きょうじ)と責任の下、地方自治の本旨を踏まえた公平中立な判決を最後まで期待していただけに極めて残念だ」と答えた。指示への対応については「判決内容の精査や行政法学者から寄せられたさまざまな意見について分析を進めている」として明言を避けた。


(沖田有吾、與那原采恵)