宮古島市の陸上自衛隊保良訓練場で訓練中、隊員が飛行させたドローン1機が制御不能になり行方不明になったことが3日、分かった。施設外の訓練場北側に出た可能性がある。被害は確認されていない。陸自によると、ドローンは第7高射特科群長=1等陸佐=の私物で、無登録だった。群長が1日、国交省に報告した。陸自の警務隊は航空法違反の疑いがあるとみて捜査している。
トラブルがあったのは9月22日。翌日からの訓練でドローンを使うため、指示を受けた部下が事前に群長の私物のドローンで操縦訓練をしているところだった。当時の風速は約3メートルだった。
航空法では100グラム以上の機体について登録を義務付けている。ドローンの重さは約580グラムだが、群長は登録していなかった。飛行時のサイズは約50センチで白色。施設内上空で制御不能となり、施設外に出た。保良訓練場の北側で消失したとみて捜索したが、見つかっていない。
国土交通省への報告が9日後の10月1日となった理由について、陸自は「重大インシデントに該当するか調査・検討していたため」と説明した。同省は、重大インシデントの報告対象外と判断し、群長に通知したという。
陸自は本紙の取材に「大変遺憾だ。原因究明のためしっかり調査し、調査結果に基づいて隊員教育など再発防止に取り組む」と答えた。施設管理者である宮古島駐屯地と宮古島署へのドローン飛行の申請や事前の通報は済んでいたと説明している。航空法上の機体登録なしに、飛行申請や事前通報ができるのかについては確認中としている。
(明真南斗、友寄開)