沖縄県高校新人大会は23日、各地で5競技が行われた。ボクシングはピン級で親川仁(沖縄水産)、ライトフライ級で山元利月(南風原)、フライ級で根間空志(陽明高支)が頂点に立った
兄助言のカウンター一閃 何度も反撃、打ち合い制す
兄の助言のカウンターと、攻めの姿勢で相手を徐々に追い詰める。自身より背の高い相手をものともせず、親川仁(沖縄水産2年)が男子ピン級の頂点に立った。
同じ沖水ボクシング部だった兄に憧れ、高校1年生で競技を始めた。決勝で戦う相手の動画を兄に見せ「ストレートが流れているからカウンターを合わせろ」と助言をもらった。
1回は「緊張で動けなかった」というが、リーチのある相手の拳を受けながらも何度も反撃した。2回は「試合で高まった」気持ちから、打ち合いはさらに熱を帯びた。ジャブ、ストレート、フックと得意の連打をヒットさせる。
兄の助言通り、相手のジャブに合わせたカウンターも成功させた。勢いづいた親川はさらに拳をたたき、試合を優位に進めた。3回は体力も残り少なかったが「最後なので全力」で打ち込んだ。2度のダウンを奪って勝利し「助言のおかげで勝てたと兄に伝えたい」と語った。
九州大会は初戦突破が目標だ。「試合で負けないよう走り込みたい」と今後を見据えた。
(名波一樹)
根間(陽明高支)光る技術圧勝 フライ級
男子フライ級の根間空志(陽明高支2年)は光る技術で3―0の圧勝を決めた。しかし「こんなところで手間取ってはだめだ」と優勝の結果にも嘆息した。
ヒットアンドアウェーを得意とするが、RSC勝ちを狙うあまり「単発になって、自分の動きを忘れてしまった」。それでも、間合いに入ると的確に拳をたたいていく。テンポをずらし、ため込んだストレートを2連打と相手を上回った。ダウンも奪ったが、目標を達成できず「ふがいない」と自分に厳しかった。
精神的な弱さを課題に挙げる。「堂々としたボクシング」を目指して九州、全国制覇へと決意を新たにした。
(名波一樹)
山元(南風原)ボディー攻めきる ライトフライ級
男子ライトフライ級決勝は、県高校総体と同じカードだった。雪辱を期す山元利月(南風原1年)は「自分のボクシングができた」と3―0の完勝で優勝を飾った。
敗北を喫した前回は足を使う相手の距離に付き合わされた。毎朝7キロを走っていたが「足腰を鍛えよう」と週3~4回は距離を2倍に。迎えた本番、ボディーブローを中心に攻撃を組み立て、動く相手を崩した。タイミングを見極め、逃げる相手を追い詰める。インファイターだが「詰めるときに詰める」と冷静に試合を運んだ。
試合を終え、高校初のタイトル獲得に「うれし泣き」した。九州では「自分のスタイルを貫き、執念で勝つ」と気合十分だ。
(名波一樹)