水のカーテンで延焼防ぐ 焼失から4年の首里城で早朝に消火訓練


水のカーテンで延焼防ぐ 焼失から4年の首里城で早朝に消火訓練 水の壁で延焼を防ぐ「水幕防御システム」を使って行われた訓練=31日午前5時49分、那覇市の首里城公園(大城直也撮影)
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 首里城火災から4年となった31日早朝、那覇市消防局などの4団体は首里城公園で、公園の防災力向上や関係機関の連携強化を図るため、合同で火災防御訓練を実施した。首里城公園の自衛消防隊や消防隊員ら延べ290人が参加し、夜間と昼間でそれぞれ火災が発生したと想定して訓練した。


 訓練に参加したのは那覇市消防局、沖縄総合事務局、県土木建築部、沖縄美ら島財団。午前5時半ごろ、首里城正殿の復興工事が行われる「素屋根」2階の煙感知器が発動すると、周囲に警報音が鳴り響き、訓練が始まった。警備室の職員が火災を確認し無線を入れると、自衛消防団が初期消火を開始した。


 発生から約10分後には那覇市消防局の消防隊約30人が到着した。消火用ホース4本を用いた放水に加え、地面に置かれたホースの側面から水を噴射して水壁をつくり延焼を防ぐ「水幕防御システム」も実施した。昼間の火災発生を想定した訓練では、素屋根を見学中の来園者らを奉神門の外へ避難させる誘導訓練もあった。


 訓練後の講評で那覇市中央消防署の平良厚署長は「昨年の課題だった火災の箇所や規模、活動内容の情報伝達などを良好に運行できた」と参加者を評価した。沖縄美ら島財団首里城公園管理センターの町田宗紀統括は「来園者を安全に避難させる際の適切な指導員配置や連携を取る際の声の出し方には課題が残った」と今後を見据えた。(西田悠)

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