診療報酬を返納か 「医師が多忙」で書類に記載漏れの不備 沖縄県立南部医療センターに国が指導


診療報酬を返納か 「医師が多忙」で書類に記載漏れの不備 沖縄県立南部医療センターに国が指導
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 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター(南風原町新川)で診療報酬の患者50人分の書類のうち一部に不備があり、国が指導をしていたことが1日までに分かった。県病院事業局によると、保険組合や患者に医療費を返納することも想定している。金額や件数は国からの正式文書を受けた後に算定するという。


 県によると今年9月、同センターに厚労省と九州厚生局による「特定共同指導」が入ったことで分かった。特定共同指導は、診療報酬の適正な手続きを普及させることが目的で、請求書類に医療行為の必要事項が記入されているかを調べる。

 同センターが特定共同指導用に準備した今年1~2月の患者50人分の資料には、検査を実施する根拠やリハビリ計画に関する医師の指摘などが記載されていないなど、基本的なルールが順守されていない請求があった。医療行為があっても、書類の不備が解決されない場合は請求が認められないため、受け取った医療費を返納する必要があるという。

 県の担当者は「記載漏れや不備の要因には多忙な医師が作業を後回しにしてしまったこともある。事務補助者の配置やルール徹底の周知など、対応を検討したい」と述べた。

 同センターでは2008年の特定共同指導により、07年の1年間で3万2千件にも及ぶ不適切な診療報酬請求があったことが分かり、保険組合に約6600万円を自主返納している。