高江小中、オスプレイの低周波基準超 ヘリパッド運用が影響


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 【東】東村立高江小中学校で昨年12月に観測された米海兵隊のオスプレイの低周波音が、防衛省が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画で作成した環境影響評価の「心理的影響」や環境省が設定した「物的影響」の基準となる閾値(いきち)を上回っていたことが24日分かった。米軍北部訓練場の一部返還に伴って新設され、米軍へ先行提供されたヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)N4地区の運用による低周波音の影響が明らかになるのは初めて。

 渡嘉敷健琉球大准教授(環境・音響工学)が測定し、24日に高江公民館で行われた住民報告会で公表した。
 渡嘉敷准教授は昨年9月7日から12月11日まで、N4地区から約1・7キロ離れた高江小中学校の屋上に測定機を設置した。このうちN4地区でオスプレイ3機が同時に訓練をする様子が確認された12月7日午後4時10分、同校で周波数40ヘルツで音量92・9デシベルを記録し、防衛省設定の「心理的影響」の閾値を14・9デシベル上回った。同じ時間帯を周波数別でみると50ヘルツで4・1デシベル、63ヘルツで1・4デシベルでそれぞれ同じ閾値を上回った。
 12月11日からは測定器をN4地区までの距離が約450メートルの事務所へ移し、夜間の訓練の影響も明らかになった。ことし2月25日午後10時43分には周波数20ヘルツで88・3デシベルを観測し、環境省が定める閾値を心理的影響で12・3デシベル、物的影響で8・3デシベルそれぞれ上回った。