与那国に陸自部隊発足 隊員160人、レーダー監視


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 金城 潤
新たに発足した陸上自衛隊の与那国沿岸監視隊駐屯地前で配備に抗議する住民ら=28日、与那国町

 【与那国】防衛省は28日、与那国島で陸上自衛隊の駐屯地と沿岸監視隊を創設した。同日、与那国町で整備中の駐屯地内で隊旗授与式を開き、約160人の隊員を配置した。中国の海洋進出をにらんだ南西諸島の防衛力強化の一環として、部隊は周辺の海域や空域で活動する船舶や航空機をレーダーで監視する。沖縄の日本復帰後、県内で新たな自衛隊基地の設置は初めてとなる。

 配備問題は賛否で住民を二分し、昨年2月、その是非を問う住民投票に発展した。賛成が過半数を占める結果になったが、住民間に生じたしこりは残ったままだ。この日も反対派の住民ら約15人が駐屯地の入り口前で、プラカードを掲げるなどして抗議した。
 与那国沿岸監視隊は警備小隊レーダ班や監視班、通信情報隊などで構成される。与那国町の久部良地区の駐屯地は約25ヘクタールで監視レーダーや隊舎などを整備。祖納地区には1ヘクタールの敷地に電波塔が設置された。
 取材に対し、塩満大吾監視隊長は「南西地域は空白という点を解消する必要があった。周辺の警戒監視、各種事態の抑止と対応のため、与那国に配備されたことは非常に有意義なことと考えている」と述べた。
英文へ→Japan’s Self-Defense Force opens radar station in Yonaguni