慶佐次ロランC通信所跡、あす返還 東村、54年ぶり跡利用へ


この記事を書いた人 志良堂 仁
跡地利用の検討が本格化する東村慶佐次のロラン局跡地=1月(東村慶佐次区提供)

 【東】東村慶佐次で米軍の通信所として開設後、海上保安庁に運用が引き継がれてきた通信所「慶佐次ロランC局」跡地(約55ヘクタール)が4月1日付で土地所有者の慶佐次区や個人地主らに返還される。地元へ引き渡されるのは約54年ぶり。同区は跡地利用推進委員会を2015年11月に発足。ことし7月までに跡地利用基本計画の基本方針を策定し、理念や方向性を固める。その上で村や県と連携し、雄大な自然を生かした観光施設誘致などを検討する。

 同局は1962年10月に米軍の沿岸警備隊が使用を開始した後、93年には運用を海上保安庁が引き継いだ。2015年2月1日に閉局して同3月に鉄塔を解体。同4月中旬から原状回復工事を実施してきた。
 慶佐次区の跡地利用推進委は県外5施設を視察した。ことし4月と6月には区民へのアンケートも実施する予定で、慶佐次に適した跡地利用を話し合う。
 同利用推進委の山城定雄委員長は本紙取材に「東村や北部、沖縄の振興につながる跡地利用にしたい。世界自然遺産登録も見据え、自然も生かした形が検討できればと思う」と語った。同区の新里吉弘区長は「区民、地主の総意で(跡地利用を)つくり上げたい」と述べ村や県の担当課とも連携し取り組む考えを示した。