ビーチで「児童が溺れている」 石垣島・観光客を救ったマリンスタッフに感謝状 2つの事故に「共通点」


ビーチで「児童が溺れている」 石垣島・観光客を救ったマリンスタッフに感謝状 2つの事故に「共通点」 水難事故現場で迅速で的確な対応をしたとして、新城剛消防長(左)から感謝状を贈呈された木村純一さん(中央)と山本天さん=21日、石垣市消防本部
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 【石垣】石垣市消防本部は21日、8月と9月に市内で発生した水難事故現場で、迅速な救助活動をしたとして、マリンスタッフ兼ライフセーバーの木村純一さん(55)とマリンスタッフの山本天さん(25)に感謝状を贈呈した。いずれの事故も注意が必要な2つの共通点があった。

 8月29日、市新川のホテル内のビーチで、観光客の5歳の女児が溺れた。母親が浮輪を借りに行き、代わりに女児を見ていた知人も目を離した隙に溺れていた。

 木村さんが心肺蘇生し、女児は意識を取り戻した。木村さんは過去にも水難事故で救助活動に携わった経験があり「落ち着いて対応できた」と振り返った。

 9月23日には米原ビーチで、母親がトイレに向かう数分の間に、観光客の10歳男児が溺れた。近くの駐車場にいた山本さんは、男児の母から「助けてください」と救助を求められた。波に打たれながら砂浜に横たわっている男児に胸骨圧迫をした。スマートフォンで救急隊員の指示を受けながら人工呼吸も施し、男児は意識を取り戻した。

 山本さんは周囲がパニックとなっている中で、自身も「震えていた」と当時の緊迫した状況を語った。

 いずれの事故も、①大人が目を離した隙に発生②ライフジャケット未着用ーという2つの共通点があった。2人は救助した児童たちが回復したことに喜びつつ「大人は子どもから目を離さず、ライフジャケットの着用を」と呼びかけた。(照屋大哲)