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本部富士(ミラムイ)ってどんな山!?【島ネタCHOSA班】


本部富士(ミラムイ)ってどんな山!?【島ネタCHOSA班】 カルストの山々が連なる様子は壮観
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

本部町に本部富士と呼ばれる山があるそうですが、どんな山か見に行ってくれませんか?

(けんちゃん 65歳)

お、山ネタきました! まずは図書館に行ってみましょう。すると本部町史に「八重岳を主峰とする山並みと本部富士の連山…」という記載を発見。本部富士は「ミラムイ」とも呼ばれ、沖縄海岸国定公園の区域内に位置する「標高250メートルの山」だそうで、「沖縄海岸国定公園の探訪ガイド」(沖縄県)によると、「(ミラムイがある一帯は)本部カルストと呼ばれる中生代に形成された石灰岩地帯で、日本で唯一といわれる円錐状のカルスト丘群を特徴」としており、カルスト地形の景観を保護するために「特別保護地区」に指定されているとのこと。沖縄に「日本で唯一」のものが!

登山好きに聞く

「石川岳とか嘉津宇岳、名護岳なら登ったことありますが、ミラムイはまだ。富士山のほうは小学校5年生のとき登りました(笑)」と話すのは、最近山登りにハマっているというランニングコーチングスタッフの岡潔さん。標高3千メートル級の北アルプス(飛騨山脈)やカナダのロッキー山脈なども楽しんだことがあるそうですが、「登山とマラソンは似ている。キツくてもゴールした人にしか分からない景色が味わえます」と話します。

岡潔さん

本部町出身で、カヤックなどのツアーガイドを約20年務める北部港運の島武文さんは「本部の山と言ったらミラムイかデーサンダームイ。私たちがツアー開催していますよ」とのこと。後日、ついて行ってみました!

島武文さん

森林浴は精神安定剤

とある日―。朝一番にミラムイの麓に到着すると、島さんと本部町認定むとぅぶんちゅ観光ガイドの徳千代英子さんらがお出迎え。徳千代さんからひとしきりミラムイの概要と登山の注意点を聞き登山開始。

ミラムイの見どころの1つ、蝶々街道

登山道の入口付近にはクワズイモや赤く紅葉したホルトノキ。少し進むとシロオビアゲハやシジミチョウが気持ちよさそうに舞い、ユウナの木やガジュマルはのびのびと葉を広げます。

カルストの岩山が近づくと、手袋をはめて登山開始。とがった円錐状の岩石を両手両足を使って登り、何度も息を整え、ズボンにひっかかるサルカケミカンのトゲをほどきながら、道なき道をすすむこと約1時間。無事に登頂!

まもなく頂上!
ミラムイの頂上

連なるカルストの山々や伊江島、古宇利島、伊是名島・伊平屋島が見渡せる壮大な景色に、調査員は息を飲みます。徳千代さんは「きれいでしょう? ここに来たら天下とった気分ですよね(笑)。私は健康維持のために、68歳の今でも毎日10キロメートル歩いていますが、登山は天然のアスレチック。森林浴は精神安定剤にもなりますし、山の中なら大きい声でお友達とおしゃべりしても大丈夫」と笑います。

徳千代英子さん

「ミラムイは他にはない魅力がありますし、本部町は地域の魅力もまだまだたくさんあります。シーカヤックなどでマングローブのツアーもやっていますので、海も山もたくさん遊びに来てください~」と、島さんは笑顔。今年の冬は登山で体をポカポカ、いかがでしょうか?


ツアー問い合わせ先
北部港運株式会社(担当:島)
TEL 080-6494-9543
※ミラムイ登山初回の方はツアーに参加推奨

(2023年11月30日 週刊レキオ掲載)