沖縄本島―離島光ケーブル 完工、10月目指す 県、敷設向け安全祈願祭


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海底に敷設する光ファイバーケーブルの説明を受ける翁長雄志知事(左から4人目)ら関係者=8日那覇ふ頭接岸の敷設船「すばる」内

 沖縄本島と先島や本島南部周辺離島を海底光ケーブルでつなぐ県の離島地区情報通信基盤整備推進事業に関連し、ケーブル敷設に向けた安全祈願祭が8日、那覇市の那覇ふ頭第一岸壁前で開かれた。10月完工を目指し、完成後は離島地域で高速大容量の通信環境が整う。
 総事業費は約90億円で、沖縄本島から多良間島、与那国島、波照間島の先島エリアと本島から粟国島、久米島などの久米島エリアを計915キロメートルの光ファイバーケーブルで結ぶ。既にNTT西日本が離島間に敷設している光ファイバーケーブルと合わせて円環(ループ)化することにより、通信の速度や容量が向上するほか、安定化にもつながるという。

 海底ケーブル敷設に加え、県は本年度からケーブルを引き込んだNTT局舎と各家庭を結ぶ「超高速ブロードバンド環境整備推進事業」を開始し、離島のインターネット環境の整備を進める。
 翁長雄志知事は「ワイファイ(公衆無線LAN)の整備や遠隔医療、遠隔教育などさまざまな分野で施策の展開が可能になり、離島における産業の振興や定住条件の整備に大きく貢献するものと考えている」と効果に期待した。
 ケーブル敷設船「すばる」は11日、那覇ふ頭を出港し、約2カ月かけ敷設する。その後、10月まで試験を行い、稼働させる予定だ。