オスプレイ墜落から飛行停止まで1週間以上かかったが… 防衛相は問題視せず 「必要な措置講じられた」


オスプレイ墜落から飛行停止まで1週間以上かかったが… 防衛相は問題視せず 「必要な措置講じられた」 閣議後の会見で質問に答える木原稔防衛相=12日、防衛省
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 【東京】鹿児島県・屋久島沖で米空軍横田基地所属のCV22オスプレイが墜落した事故を巡り、木原稔防衛相は12日の閣議後会見で、米軍が事故から1週間以上たってからオスプレイの運用を止めたことについて見解を問われ「(停止までの1週間も)その時々において必要な措置が講じられてきている」と述べた。事故後も不具合の可能性を抱えながらオスプレイが飛行し続けていたことになるが、問題視しない姿勢を見せた。

 米軍は予備的な調査で、人為的なミスではなく機材の不具合が事故を引き起こした可能性があると判断している。沖縄県、普天間飛行場を抱える宜野湾市は当初から原因究明までの飛行停止を求めていた。

 米軍が運用停止を発表した7日から、防衛省は停止措置の詳細を問い合わせているが、木原氏は12日の会見でもまだ「確認中」と述べた。

 事故の後、米軍への申し入れの際に安全確認後の飛行を求め、「飛行停止」という表現を避けた理由を問われ「航空会社に勤務した経験があるが、飛行停止という言葉は一般的ではない。使ったことがなかった」と語った。一方、2016年に名護市安部の沿岸部へ海兵隊のMV22オスプレイが墜落した時には当時、外相だった岸田文雄首相が「飛行停止」という言葉を使って米側に要請していた。

 木原氏はラップ在日米軍司令官に安全確認後の飛行を申し入れたが、オースティン国防長官に申し入れなかった理由について質問され「私が要請した内容は当然、米国防総省に伝わっている。今後、必要に応じてあらゆるレベルで情報提供を求め、必要な要請があればしていく」と語った。(明真南斗)