琉球コラソンは20日、チーム創設と日本ハンドボールリーグ(JHL)参戦から8年間、監督を務めた東長濱秀吉氏(56)が契約期間満了に伴い、3月末で退任したと発表した。後任監督は現在選定している。2015年、JHLのプレーオフにクラブチームとして初の進出を導いた東長濱氏は、「地域密着型のクラブチームでありながら、頑張ればプレーオフに行ける事を証明した。今後もプレーオフ常連や日本一を目指してほしい」とこれからの活躍に期待した。
2009年、JHLへの琉球コラソン参戦当初は「ついて行けず、苦労の連続だった」と振り返る。この間、元日本代表で長男の東長濱秀作(15年引退)、次男の秀希(大崎電気)を含め、数多くの優秀選手を育成してきた。2015年のプレーオフでは準決勝まで進んで“コラソン旋風”を巻き起こした。東長濱氏は「創立以来の目標の一つだったプレーオフに進出できてうれしかった」と達成感をにじませ、スポンサーやファミリア(ファン)の8年間の応援に感謝した。
他の企業チームと違い、JHL唯一のクラブチームであるコラソンの選手は、さまざまな仕事で収入を得ながら競技を続ける。東長濱氏自身も、自営業と二足のわらじで監督業を続けてきた。「これまで走り続けてきたので、取りあえず1年間は休みたい」とし、今後は最低1年間、休養する意向を示した。
◆指揮8年
東長濱秀吉氏は琉球コラソン創立初年度の2009年、日本ハンドボールリーグ(JHL)大会への参戦から監督に就任した。以降8年間、自営業の傍ら、コラソンをけん引してきた。7年目の14―15年シーズンに社会人選手権大会、全日本選手権大会の両大会で3位入賞。JHL唯一のクラブチームとして初めてのプレーオフ進出も果たした。小中学生の育成にも尽力、「ハンドボール王国」沖縄を築いた立役者だ。
那覇市出身。興南高で競技を始め、1977年の岡山高校総体ではエースとして16強入りした。元日本代表としても活躍し、昨年現役を引退した長男の秀作(興南高―日体大―湧水製薬―琉球コラソン)や、全日本総合選手権で日体大の4強入りに貢献した大崎電気の次男・秀希(興南高―日体大卒)を含む多くの選手を育成してきた。
指導者不足だった浦西中で外部コーチを引き受け、来季から海外リーグ挑戦の意向を示している棚原良(興南高―日体大―大同特殊鋼―コラソン)、石川出(興南高―日体大―大崎電気)や秀希らを率いて2002年の全国中学体育大会で日本一に導いた。