「本土は上から目線」 東京・明治大でコザ騒動巡りシンポ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
コザ騒動についてのシンポジウムで当時の状況などについて語る写真家ら=29日、明治大

 【東京】1970年12月20日に起きたコザ騒動についてのシンポジウムが29日、明治大学で開かれた。現場で写真を撮った写真家らが当時の状況などを語ったほか、学者や報道関係者らが「コザ暴動から見る沖縄の現在と日本」と題して議論した。会場には約250人が訪れ、議論に聞き入っていた。

 第1部は写真家の国吉和夫さん、比嘉豊光さん、松村久美さん、小橋川共男さんと明治大教授の倉石信乃さんが登壇した。
 当時琉球新報のカメラマンとして現場に居合わせた国吉さんは「コザ暴動は起こるべくして起こっている。辺野古の問題でも何も変わっていない。本土の人には沖縄は大好きとか、かわいそうだとか、そういう上から目線で話してほしくない」と沖縄で今起きている問題を自身の問題として考えるよう求めた。
 比嘉さんは「写真は現場に戻すことが大事だ。そして現場に見に来る人が共有できれば、歴史の記録になり得る」と述べ、コザ騒動の展示会を始めたきっかけなどを語った。
 第2部は後多田敦神奈川大准教授がコーディネーターとなり、比屋根照夫琉球大名誉教授、映像ディレクターの今郁義さん、TBSキャスターの金平茂紀さん、朝日新聞記者の川端俊一さんが登壇。コザ騒動を振り返りつつ、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題を巡って沖縄の置かれている状況などについて議論を進めた。