高橋源一郎氏「県民の憲法観を大事に」 那覇講演に1500人


この記事を書いた人 志良堂 仁
憲法講演会で「民主主義 未完のプロジェクト」と題し講演する高橋源一郎氏=3日、那覇市の那覇市民会館

 憲法記念日の3日、「2016憲法講演会」(主催・県憲法普及協議会、沖縄人権協会、日本科学者会議沖縄支部)が那覇市民会館大ホールで開催された。改憲が現実味を帯びる政治状況の中で開催された51回目の憲法講演会。会場に訪れた約1500人(主催者発表)が、現行憲法や9条の堅持を誓った。

 県内各地でも護憲・改憲双方の立場で集会が開催され、多くの県民が憲法について考えた。
 憲法講演会では、作家で明治学院大学国際学部教授の高橋源一郎氏が「民主主義 未完のプロジェクト」と題して講演した。高橋氏は「自分の足元からしか次の一歩は踏み出せない」として、一般論で思考しないことの重要性を指摘。本土とは違う県民の憲法観を「大事にしてほしい」と話した。
 高橋氏と「SEALDsRYUKYU(シールズ琉球)」の元山仁士郎さんと石橋柚里さん、「安保関連法に反対するママの会@沖縄」の城間真弓さんの座談会もあった。若い世代や母親が声を上げることへの世間の見方や、身近な政治活動などについて語り合った。
 「非戦を選ぶ演劇人の会おきなわ」が憲法9条と沖縄をテーマにした朗読劇を披露し、安保関連法の廃止や名護市辺野古への新基地建設阻止を訴えた。
 講演会では「未完の民主主義を実現する主権者として、声を上げ続け、沖縄から世界に向けて、平和をつくりだしていくことを誓います」とする憲法宣言も読み上げられた。
英文へ→Genichiro Takahashi emphasizes importance of Okinawan view of the constitution