高橋源一郎氏は「民主主義未完のプロジェクト」と題して講演した。高橋氏は沖縄と本土では憲法への視点は異なると指摘した上で「本土の人には見えないものが、沖縄の人には見えている。沖縄の人は(自分の足元を大切にする)『小さな人間』だ。だが『小さな人間』の集まりが世界を動かす。その視点を大事にしてほしいし、していきたい」と語った。
高橋氏は一般論ではなく、自分自身が見たり感じたりしたことで考え、語る人を「小さな人間」と表現。既存宗教から批判を浴びながらも一般民衆の救いを追究した浄土真宗の宗祖・親鸞(しんらん)などを例に出して、「小さな人間」の発する言葉の力を強調した。
子どもたちが社会生活を学ぶ場として、全校生徒と教員らが投票で規則などを決める仕組みを設ける自身の息子が通う学校について触れ、「民主主義は教育のツールになるとの考え方もできる」と語った。