沖縄のイチゴ、アジアへ 日立キャピタル、農業初参画


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 日立製作所グループで金融サービスを担う日立キャピタル(東京都、川部誠治社長)が、読谷村宇座にイチゴ栽培の温室を開設することが9日までに分かった。アジア主要都市に航空路線が多数就航し輸出に有利なことや、ホテルなど観光分野での需要が見込めると判断した。5月中に温室の建設に着手する。3年目には年間4・5トンの収穫を目指す。パートタイムでの職員の雇用を検討している。

 日立キャピタルが農業に参画するのは初めて。沖縄でイチゴの生産から加工、流通、販売に関するノウハウを蓄積する。将来的にはノウハウをパッケージ化し、農家に提供するビジネスモデルの確立を目指す。
 農地は個人有地を借り受けた約2600平方メートル。
 従来、気温が高い沖縄ではイチゴの栽培に向かないとされてきたが、今回は信州大が開発した比較的暑さに強いとされる品種「信大bs8-9」を栽培する。10月に植え付け、1月から収穫する予定だ。
 農業資材メーカーの「アグリス」(福岡県八女市)と業務提携し、イチゴの生産について指導を受ける。将来的にはイチゴ狩りが楽しめる観光農園事業の展開も検討する。