海人のまち「ユートゥイ」って?


社会
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糸満海人工房資料館で展示されている「ユートゥイ」=1日、糸満市西崎

 【糸満】糸満市西崎の海のふるさと公園の南側に立地する糸満海人工房資料館の展示収蔵庫が1日で開館2周年を迎え、記念企画として「ユートゥイ」の展示会を行っている。

 ユートゥイはサバニの中にたまったアカ(潮水)をくみ出す道具で、まな板や皿の代わりに使われるなど一石三鳥の役割を担っている。琉球松で作るが、マツクイムシの被害で切り倒されて手に入りにくくなっている。
 展示会では40点余りのユートゥイが展示され、丸みを帯びたものや箱型などいろいろな形があり、山原船のユートゥイのほか、終戦直後のヘルメットで作ったものや最近では洗剤のペットボトルで作ったのも展示されている。
 宗教哲学者の柳宗悦はかつて「これほどの木工品はあるまい」と絶賛した。糸満でユートゥイを作れるのは糸満海人工房を管理運営するNPO法人ハマスーキ理事長の上原謙さんだけ。上原さんは「ユートゥイは糸満の歴史そのもので、サバニの大型化によって今では使われていない。多くの人に知ってもらいたいので見てほしい」と話している。
 展示会は糸満ハーレーの6月8日まで開かれている。見学料は成人が300円、高校生以下100円(月曜日は休館)。
(玉保世英義通信員)