「石垣版ライドシェア」を4月にもスタート タクシー会社と市が連携、乗務員不足の解消へ


「石垣版ライドシェア」を4月にもスタート タクシー会社と市が連携、乗務員不足の解消へ
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 【石垣】石垣市は5日、市内のタクシー乗務員不足を解消するため「石垣版ライドシェア」を4月から開始すると発表した。市内のタクシー会社が一般ドライバーを雇用し、空きタクシーを運転する仕組み。市は県ハイヤータクシー協会八重山支部と連携し、乗務員募集や講習場所の提供などを支援する。市によると、ライドシェア創設を表明する自治体は県内初だという。

 市内では、368人いたタクシー乗務員がコロナ禍で81人減の287人に落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行後、クルーズ船の寄港などで観光需要が戻りつつある中、移動需要を確保するためにライドシェアの導入を決めた。

 市によると、道路運送法78条3号の新たな制度設計に基づき、タクシー事業者の運行管理の下、一般ドライバーが自家用車ではなくタクシー車両を使用するライドシェアを導入する。2種免許ではなく、普通免許で運転できる。

 市内にはタクシー会社が12社あり、全社合わせて保有台数は425台。だが、乗務員の数が70人ほど不足していた。そのため市が支援し、復職や新規を含め、現在39人を確保した。今後、市と八重山支部が連携し残り30人ほどの確保に向けて、調整を進める。

 5日、市役所で会見を開いた中山義隆市長は「4~5月の観光シーズンの繁忙期に向け、協会と連携し乗務員不足を解消したい」と導入に意欲を示した。

 ライドシェアを巡っては、政府が、タクシー会社の管理下で自家用車を使い一般ドライバーが有料で客を送迎する仕組みを4月から部分解禁することを決めている。本年度内に新たな制度設計を示すとしていることから、今後、市も政府の示す案を参照して、4月からの導入を正式に決める。(照屋大哲)