【渡嘉敷】渡嘉敷島の沖縄戦や自然・文化について学ぼうと、佐賀県嬉野市立大野原中学校の全生徒11人と桑原力校長、教員2人が11日から2泊3日の修学旅行で渡嘉敷村を初めて訪れた。生徒らは、島民から「集団自決」(強制集団死)の惨状を聴くなどして戦争の悲惨さと命の尊さを学び「戦争を二度と起こさない」と平和宣言をした。
生徒は国立沖縄青少年交流の家で渡嘉敷島の悲劇と言われる「集団自決」(強制集団死)について地元の平和ガイドを招き、自身の母親や島民の体験などを聴いた。
ガイドは「当時、島民は『米兵の捕虜になってはいけない。天皇陛下万歳と叫び、死を選べ』と日本軍から手りゅう弾を手渡された。子どもや女性ら弱い者が多く犠牲になる戦争を二度と起こしてはいけない」などと語気を強めた。
その後、生徒らは北山(にしやま)の集団自決跡地の慰霊碑を訪れ、「戦争を二度と起こさないように、この悲惨な出来事を後世に伝え、戦争のない平和な世界を創っていくことを誓う」と平和宣言し、千羽鶴や黙とうをささげた。「集団自決」場や日本軍本部壕跡なども見学した。
引率した桑原校長は「沖縄戦の『集団自決』を学ぶことで、命の尊さと平和の大切さをより一層理解できる」と語った。
中村詩織さん(中3)は「『集団自決』の意味が理解できた。こんな悲惨な戦争を起こさないように平和について考えて行動したい」。朝日大志さん(同)は「いま普通に生活できることに感謝し、戦争を起こさない日本のリーダーを選びたい」と感想を話した。
生徒らは渡嘉志久ビーチでのマリン体験や島内見学などを行い、島を離れた。(米田英明通信員)