社会

北京の琉球人埋葬地で鎮魂の祈り 墓参団、関係者に保存打診

救国運動を展開し客死した琉球人に鎮魂の祈りをささげる墓参団参加者ら=17日、中国北京市通州区張家湾の琉球人埋葬地

 【北京で新垣毅】1879年の日本による琉球王国併合(「琉球処分」)前後に中国で琉球の救国を訴え客死した琉球人を慰霊しようと、中国を訪れている墓参団の一行29人は17日、北京市通州区の琉球人埋葬地で鎮魂の祈りをささげた。一人一人が線香を立て、手を合わせた。

 一行の中には「大変な時に命を捨てて琉球を守ろうとした」と涙を流す参加者も。墓参者は「さぞ無念だっただろう」と先祖の悔しさに思いをはせ、み霊に向かって「さあ、琉球に一緒に帰りましょう」などと慰霊の言葉を贈った。

 現地の管理者によると、埋葬地には、多数の墓石があったという。娯楽施設の建設計画があり、1年以内に着工される予定だ。一行は、現地の発掘・調査や墓石の保存を北京市当局へ直接要請する予定だったが、日程の調整がつかなかったため、県北京事務所に要請文を託した。同事務所が要請する。

 埋葬地は現在、果樹園内にある。一行は同日、その管理者と地主に面談し、墓碑の建立や管理が可能かどうか打診した。両者から前向きな返答を得た。また、北京師範大学の姜弘副教授に、琉球人墓の調査・復元・保存への協力を要請、「積極的に協力する」との返答を得た。

 慰霊のセレモニーでは、追悼の思いが込められた「十七八節」の三線演奏も奉納された。国場栄正団長は「子孫のため命懸けで活動した先祖の皆さまのご冥福をお祈りしたい」と述べた。

 救国運動をし、客死した王大業の子孫、国場義一さん(65)は「琉球人の墓が保存されることを望む」と思いを新たにしていた。

 青山克博さん(56)=愛知県、団体職員=は「熱い思いが込み上げた。琉球に帰りたかっただろう。せめてみ霊を守らないといけない」と語った。上原利恵子さん(67)=沖縄市=は「ここで亡くなった先祖のため、子孫が頑張らないといけない」と言葉に力を込めた。