ブレイキン(ブレイクダンス)の第5回全日本選手権最終日は18日、渋谷区のNHKホールで行われ、女子の津波古梨心(ダンサー名・RIKO)=読谷高2年=は4位となった。優勝した福島あゆみ(AYUMI)に準決勝で敗れ、3位決定戦でも勝利を逃した。福島は大会3連覇を果たした。
大会後、取材に対応した津波古は「悔しいとまでは思っていなくて」ときっぱり。「むしろ今後の課題が見えてきた」と語り、パリ五輪出場という次の目標を見据えた。
男子は18歳の菱川一心(ISSIN)が初優勝した。パリ五輪代表で大会4連覇を狙った半井重幸(SHIGEKIX)を準決勝で破り、決勝では大能寛飛(HIRO10)に勝った。3位決定戦は半井が飯沼月光(TSUKKI)を退けた。大会初日の17日には、女子の比嘉美空(Chura)=前原高3年=も8強入りしたが、トップ4には及ばなかった。
津波古「新しい挑戦に」 パリ見据え、自分らしい技増やす
見据える目標はパリ五輪出場。そのせいか、既に頂点を極め、入賞経験のある今回の全日本選手権の結果を津波古梨心は冷静に受け止めた。「自分の中で新しい動きだとか試してみたいことがあって、その機会にしようと思っていた」と話す。次に克服すべき課題が見えてきた大会でもあった。
パリ五輪の出場枠は2人。5、6月と続く海外での大会を通して、なんとか1枠を獲得するのが当面の目標だ。そのため「課題は体力と動きの手数を増やしていくこと」と語る。
この日の大会ではスピード感のある技を次々と繰り出してダンスバトルに臨んだが、こだわるのは技の種類などではない。「オリジナリティーのある技を考えて増やすこと」と言う。
自分らしさをダンスで表現するのがモットーだ。大会を終え「新しい挑戦に生かしていきたい」。16歳の才能は世界の頂を視野に入れる。
(斎藤学)